2022年10月から段階的に進められている「社会保険の適用拡大」。これまで社会保険の対象外だった短時間労働者も一定の条件を満たせば加入が義務付けられるようになっています。これにより、特に中小企業では従業員の働き方や給与設計人件費の見直しが求められています。
令和7年5月16日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」を第217回通常国会に提出され衆議院で修正のうえ、6月13日に成立しました。
今回の適用拡大の背景には「人生100年時代」に向けた将来の年金制度の安定や非正規雇用と正社員との間の格差是正といった課題があります。これまで社会保険に加入していなかったパート・アルバイトなどの短時間労働者にも老後の生活を支えるためのセーフティネットを広げる狙いがあります。
2022年9月までは従業員数が501人以上の企業で働く短時間労働者が対象でしたが、以下のように段階的に拡大されました。また、企業規模要件については今後10年をかけて段階的に縮小・撤廃し、勤め先に関わらず社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できるようになります。
適用開始時期 | 対象となる企業の規模 |
2022年10月 | 従業員数101人以上 |
2024年10月 | 従業員数51人以上 |
また、加入が必要になる短時間労働者には、以下の要件が必要です。
・週の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が2カ月超見込まれる
・学生ではない など
改正により撤廃
・月額賃金が8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html)
社会保険の適用拡大によって、企業には以下のような対応が求められます。
・対象となる従業員の洗い出し
・労働時間や契約内容の見直し
・社会保険料の企業負担分の予算確保
・従業員への説明や制度変更の周知
加入対象者が増えることで企業の社会保険料負担は増加しますが、一方で福利厚生の充実は人材の定着や採用面での強みともなります。
対象者:従業員数50人以下の企業などで働き、企業規模要件の見直しなどにより新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者であって、標準報酬月額が12.6万円以下であるもの
期間:3年間
支援策の内容:基本的に、社会保険料は労使折半(事業主と被保険者が半分ずつ負担)ですが、この措置の利用を希望する事業主は、事業主の負担割合を増やし、被保険者の負担を軽減できます。
その際、事業主が追加負担した分については、その全額を制度全体で支援します。
将来的には、さらに企業規模に関係なく、すべての事業所で短時間労働者が社会保険に加入する方向性も見据えられています。今後の法改正動向にも注視しつつ、早めの準備と体制整備が重要です。
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