この記事は2021.08.16に執筆されたものです。
経営をおこなっていく上で大切なことは、「利益をいかにあげていくか」です。
利益をあげるためには、会社の数字を把握する必要があります。
このコラムでは、数字を経営に生かす方法をお伝えいたします。
会社の利益をあげるためには、まず経営者が、損益がちょうどゼロになる売上高、つまり損益分岐点売上高を把握する必要があります。
損益分岐点売上高を求めるために最初に必要なのが、変動費と固定費を分類・集計することです。
変動費とは、売上増減に伴って変動する費用のことを指します。
業種にもよりますが、一般的に売上の増減に伴って変動する費用である材料費、外注費、発送配送費、容器包装費、工場消耗品費などが変動費として集計されます。
変動費の管理は、効率的な生産活動を行うために重要です。これにより、製品やサービスの原価を抑えることができ、利益率の向上につながります。
変動費に対して、売上が増減しても変動しない費用のことを固定費といいます。
賃金、給与、法定福利費などの人件費、減価償却費や地代家賃などの設備関連費、接待交際費などの販売促進費、事務用消耗品費などが、固定費として集計されます。
固定費の管理は、企業の財務状況を安定させるために重要です。これにより、経営の安定性を保ちつつ、長期的な視点での資金計画を立てることができます。
変動費と固定費を正確に把握し、適切に管理することは、企業の利益を最大化し、経営を安定させるために不可欠です。
これら変動費・固定費を集計し、一覧にまとめたものが変動損益計算書です。
変動損益計算書は、限界利益から上に、自社の製品やサービスが顧客や市場に評価された結果が表れ、限界利益から下には、儲けの範囲内で経費をどのように使用したかが表れます。
限界利益とは、売上が1つ増えるごとに増える利益です。
なお、売上総利益は売り上げから商品の原価を引いた利益のことで、粗利益とほぼ同じと考えて問題ありません。
売上総利益と限界利益を把握することは、各商品別の直接的な儲けを把握することに繋がるため、非常に重要です。
また、各商品の売価をきめるプロセスでも重要な役割を果たします。
さらに、限界利益が固定費を上回っているかどうかを見ることも経営にとって、非常に重要なことといえます。
売上から仕入などの変動費を差し引いた限界利益は、会社の純粋な稼ぎ高であるため、人件費などの固定費を賄うことができているかを判別することができます。
限界利益が固定費より少ないと資金繰りに支障がでてきます。
また、経営戦略の面からは、経営努力が成果としてまだ実っていないとも捉えることができます。
以下の算式のように、固定費を限界利益率で割ることで、赤字にならない売上高である「損益分岐点売上高」がわかります。
例えば、固定費が400万円、限界利益率が40%であれば、400万円÷40%で、損益分岐点売上高は1,000万円となります。
上記は簡単な計算例ですが、売上高、限界利益、固定費の数値をもとに、自由にシュミュレーションできますので、数値に基づいた的確な経営判断ができるようになります。
もし、会社の数値が大きく、実感がわかないようでしたら、従業員数等人数で割り、1人当たりの金額で計算することで、よりイメージしやすくなるかもしれません。
1人当たりで売上、限界利益、固定費はそれぞれいくら出ているのかを計算することで、的確な経営判断をしやすくなります。
また、商品ごとの単価から、その商品が1つ売れるといくら儲かるのか?という計算にも応用できます。
逆算すると、いくらに売価を設定すれば利益が出るのかも判断できます。
変動費、固定費、限界利益を正確に把握し、効果的に管理することは、企業の利益を最大化し、経営を安定化させるために不可欠です。これらの数字を基に、具体的な経営戦略を立てることで、より効果的な経営判断が可能になります。経営者は、定期的にこれらの数字を見直し、必要に応じて戦略を修正することが重要です。
今回は、さまざな数字の分類・計算方法等、会社の数字を把握し経営に活かしていく方法をお話させていただきました。
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