会社から毎月支払われる給与や賞与は、所得税が差し引かれたものになります。この所得税の金額は概算の金額を毎月天引きしているため、年末に正しい税額と概算額の合計との差額を調整する必要があります。年末調整では、扶養控除等(異動)申告書、基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書の3つを記入し会社に提出していただく必要があります。
また、10月末ごろから控除証明書などの年末調整で必要な資料が届き始めると思いますので、12月の年末調整の計算に向けて準備が必要です。年末調整の際に必要な控除証明は次のような資料をいいます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)は税制優遇があり、掛金が「小規模企業共済等掛金控除」の対象になります。そのため、年末調整や確定申告の際に所得から控除することができます。
iDeCoは他の保険と比べ、掛金の全額が所得控除の対象となるのがメリットといえます。例えば生命保険ですと年間掛金のうち控除額の上限が決められており、所得税が最高4万円、住民税が最高2.8万円であわせて6.8万円に対してそれぞれ税率がかけられます。これに対し、iDeCoであれば控除額の上限がないため、年間掛金が生命保険と同額であったとしてもより大きい控除を受けることができます。
iDeCoとは違い、投資信託やETFなどに投資するつみたてNISAは税額控除の対象となりません。通常は、株式を売買したときの利益や配当金はその金額に対し約20%の税金が課せられます。ですが、つみたてNISAはこの利益や配当金の金額が非課税になるため、税金を納める必要がありません。つみたてNISAだけでなく、一般NISAも5年間非課税対象となりますので、同様に申告不要とされています。
各種控除証明は今までご自宅に送られてきた控除証明書などを保管し、年末調整・確定申告の時期にまとめてお勤め先に提出していました。しかし、平成31年1月以降、電子データで証明書を受け取ることができ、また、電子データのままお勤め先や税務署に提出することができるようになりました。紙の文書ではなく電子データとして控除証明書などを提供することから、電子的交付は、従来の紙の文書交付に比べて効率的で便利な方法とされています。年末調整は正確な情報提供と手続きの遵守が重要です。雇用主や専門家からのアドバイスを受けながら、スムーズに手続きを行いましょう。